愛しい生き物たち

畑の草の手入れに行った時のこと。

私が実践している農法は自然栽培で、「雑草」と言われる草たちを抜かずに野菜と共生させるものです。
草が野菜の栄養を横取りしてしまうということをよく言われますが、実際には草の根っこの周りには
虫や微生物達の住処が出来、その小さな生き物達の循環により野菜に必要な栄養素も生み出され、
また土壌の環境も改善して行きます。

除草剤などを使うと雑草はもちろん、土壌の生き物達は壊滅します。
ですが、整然と野菜のみが育つ畑の風景を否定することはできません。


色々な背景を知った上で何を自分が選ぶか。

草や生物と共生する方を選んだ私は、野菜がある程度大きくなるまでは光合成の妨げになるのを防ぐ為、
周りの草を短く刈って湿度を好む野菜の周りに敷く。という刈り敷きの作業をひたすら行います。
一番生き物が育つこの時期は踏ん張りどきです。

今は管理している畑が小規模なので、刈る作業は剪定バサミでこまめに行っています。無心になる作業で楽しいものです。
ちょきちょきと切っていると、草の根っこの周りに住処を作っていたであろうアリンコが土の中から続々と出てきたり。
「住処を壊したりしないよ〜」と独り言を言いながら進めます。

生物と共生すると言っておきながら虫は正直なところ苦手なので、
ミミズや小さいムカデのような虫たちが出てきた時は「ぎゃっ」と言いながらそっと土をかぶせたり。

隣に畑を借りている仲良しご夫婦の横で、こちらは独り言が多めの楽しい畑仕事です。

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